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 冬コミ用新刊マンガ「競泳水着クライシス17 海パンと競パンと夏の思い出」は下書きを完成し、まもなくペン入れ以降のデジタル作業を開始します。
 作業着手に先立って、試験的に大コマページを1枚塗ってみました。その製作過程を公開したいと思います。

 まずはネームです。大学ノートにエンピツでコマ割り、構図、ポーズ、フキダシなどを大まかに書いていく、いわばマンガの設計図です。
 下絵です。B4版のマンガ原稿用紙にエンピツで描きます。
 これをイメージスキャナーでカラーデータとしてパソコンに取り込み、フォトショップ上でチャンネルミキサーを使って線の色を赤に変換します。これは後でこの線をなぞってペン入れする時に、下絵の線とペン入れした線がごっちゃにならないようにするためです。
 
 主線のペン入れ完成原稿です。フォトショップで作った赤線の下絵画像を「クリップスタジオ」というマンガ専用ソフトに取り込んで、液晶タブレットを使ってGペンで描いています。
 別レイヤーに、効果線、擬音語、フキダシなども作り、それぞれ別名のファイルとして保存します。この時、浮世絵と同じように、画像の左上の端に小さく「あたり」の点を打っておいて、フォトショップ上でこの点を重ねることで、全てのレイヤーの位置をピタッと合わせるようにしています。
 一般的にマンガ家先生がそういうやり方をしているかどうかは知りませんが。
 フォトショップ上でエアブラシなどを駆使して主要人物の色を塗った着色稿です。
 影の付け方や立体感の出し方など、いつも同じようにやっているように見えますが、実は毎回なにかしらの新しい工夫や技法をとりいれて、常に技術向上を図っています。
 背景の色を塗ります。
 物語の前半ほど、説明的な意味で背景の事物を細かく描き、後半になるほどエッチシーンを中心に観てもらうために、背景はイメージ的な単純な描画になる傾向があります。
 
 別レイヤーで体内描写や断面図などを重ねます。本画の下に内部レイヤーを置き、本画の当該部分に薄く消しゴムをかけていく要領で、内部を透けさせます。
 クリップスタジオでペン入れの際に作っておいた効果線、擬音語、フキダシなどのレイヤーを重ねてゆき、局部のモザイクの確認の後、ページ番号をふって、完成原稿となります。
 印刷所に入稿の際には、全レイヤーを統合し、350dpiのフォトショップEPSファイルという形式に変換して送付します。
 
 さあ、この工程をあと二十数枚くりかえします・・・頑張らねば。

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